ANAの株価は新コロナが終わるまで低迷するのか、遊覧飛行で持ち直すか?

ANA(全日空)の株価は、2019年12月末から下落トレンドに入りましたね。
航空需要が激減して、財務状態の悪化も非常に憂慮されるレベルになって、JALよりも深刻な状態です。
緊急融資を受けて、当面のキャッシュは確保できたみたいで、今期の借入金だけを見た場合、とりあえずは来年1月までは運転資金として余裕はありそうです。

現在の株価水準

ANA株価


2019年12月末までは3700円前後の株価水準でした。
インバウンド需要で外国人旅行者が急増していた状況が、新コロナで海外渡航がストップして、株価も合せて急落の一途でした。
2019年末は3700円あったのが、4月6日に2060円の最安値をつけて、疫病パンデミックの怖さを再認識でした。
とはいえ、急激な売り浴びせの後は、5月から反発して、株価も上昇。
と安心したのもつかの間、やっぱり航空旅客需要がまだまだ戻らない事で、再度下落トレンドに突入しました。

8月初旬に再度底値をつけて、現時点で2800円を超えています。
各国の入国制限が続いている状況で、正直この先の回復時期が見えないですが、それでも国際線は少しずつ稼働しています。
今後の航空需要の急回復を期待した買いが入っているのかもしれません。

ANAの事業構造は?

ANAホールディングは航空旅客輸送業務で飛行機を飛ばしている関係で、子会社は、旅行業、物販などの商事業、機体整備などの航空関連業、空港などのビルメンテナンス業があります。

航空事業は、全日本空輸、エアージャパン、ANAウイングス、Peach・Aviationがあります。
バニラエアもかな、と思ったんですけど、Peachと吸収合併だったんですね。
知らんかった。

旅行事業は、ANAセールスその他があって、ツアー企画・販売を担当。
飛行機があれば、その需要を作る仕事も必要ですね。

航空関連事業は、空港業務や飛行機のメンテナンス、ケータリング、貨物運輸などがあります。
フライトに欠かせないサービスを提供している事業ですね。

商社事業は、機内販売に提供するプロダクト、機内食などの食品調達などがあります。
機内誌を見ていると楽しくなるのは、こうした商社事業が担っているんですね。

財務分析で見る経営状態

新コロナの需要減が予想以上に深刻です。
会計年度は4月から翌3月なので、2019年度決算でも売上げの落ち込みは確認できます。
とはいえ、決算短信で4月から6月の第一四半期を見るとより深刻度がクッキリ浮かび上がります。

収益性を見る

ANA収益性


2019年3月と2020年3月では、収益性の数字が明らかに悪化しています。
ROA(総資産利益率)は、4.22%から1.05%へ激減。
売上げが2019年末から授業激減の影響で、売上げが下がったため、最終利益が減りROAは減少。

ROE(株主資本利益率)は、10.61%から2.56%へ低下。
株主資本が増えて、税引き後利益が前年と同じなら数字が小さくなります。
逆に株主資本が同じで、税引き後利益が減れば、同じく数字が小さくなります。
2019年度と2018年度の株主資本の数字はほとんど変わってないので、ROEの低下は売上げ激減が原因です。

安全性を見る

ANA安定性


有利子負債は、まだ緊急融資前なのでそれほど変化はありません。
その証拠に、自己資本比率も負債比率もほぼ前年並みです。
ただし、2020年第一四半期に緊急借入を決定したため、来年3月の決算では数字が悪くなるでしょう。

また、売上高も営業利益も現時点で悪化しています。
よって、有利子負債対月商率と有利子負債対営業キャッシュフロー倍率も、数字が大きくなる見込です。
しばらくは事業から発生するキャッシュで借入金を返済する潜在力が落ちるため、株価に影響を与えるかもしれません。

成長性を見る

ANA成長性


売上高伸び率、営業利益伸び率もマイナスへ突入です。
対前年比での数字比較であれば、再来年くらいには大きくプラスになる予定ですが、ここの数字を見るには5年ほどのスパンで分析しないと正しい姿が分からないでしょう。
ANAについては、株価を見る段階で、過去からの成長性よりは現時点で数カ月前より需要がどの程度回復したのか、が買いの目安になりそうですね。

ANAの経営課題

ANAのSWOT分析


SWOT分析をしてみると、どうしても現時点での脅威、つまり疫病のパンデミックが一番ハイライトされるところかと思います。
有価証券報告書には、事業のリスクについて20個以上の項目が書かれています。
今回はそのリスクを超えて、たった一つの要因が事業を停滞させた希有な状況だと思われます。
現在、需要創出のためにできる事は、新サービスの開発で既存のリソースの有効活用があります。

遊覧飛行もその一つだし、ビジネスクラス体験もその一つでしょう。
ただ、やはり満席で飛ばしてナンボのビジネスだから、新サービスの創出も収益の観点からは限界があります。
であるならば、停滞の時期にできるだけブランド力向上のCRに力を入れるといいのでは、と思います。
ANAファンは多くいます。
そのファンとの繋がりをこの状況でも保って、需要回復にはこうしたファンの力で収益をブーストしていってもらいたい、と思います。

投資水準を見てみよう

ANA投資水準


PERを見ると割安ですが、決算時点での株価を参照している数字だと思われます。
現在はもう少しPERは上がっているので要注意です。
いずれにしても去年始めの株価水準よりは割安です。

疫病は歴史的に言って、だいたい3年ほどで収束するようですが、今回の影響がどの程度続くのかは誰も分かりません。
とはいえ、発生から1年ちょっと経てば、新コロナウィルスの情報も集積できるため、対策が徐々に功を奏すると思われます。

ANAの株価の早期回復、その前の仕込みについては時期をしっかりと見極めたいですね。

関連記事