楽天の株価が赤字に動じない推移を3つの指標から分析【高値を狙う展開か?】

楽天の2019年12月決算では、330億円の赤字になりました。
ただ事業セグメントでの赤字ではなく、買収企業の特別損失(Lyft,Inc.の減損で損失102,873百万円)を計上した事により、赤字になったため、株価への影響は限定的のようです。
楽天はビジネスセグメントを3つ運営していますが、エコシステムとして機能させることを意図しているので、事業としてはシナジー効果が発揮できるのではないかと期待されます。

財務の3つの指標を分析して、楽天の株価展望を探ってみましょう。

現在の株価水準


9月25日終わりで1158円です。
新コロナの影響で636円まで下げましたが、その後は持ち直しています。
長期で見ると、2300円まで株価が上がりましたから、現在はその水準の約半分です。

今後、新コロナによる経済活動の変化によっては、インターネットビジネスのECサイトで売上げがよりいっそう伸びるかもしれません。

楽天の事業構造は?

楽天は以下の事業セグメントを持っています。

・楽天市場の運営(インターネットサービス)
・銀行、カード、保険、証券(フィンテック)
・携帯電話、ブロードバンド、IP電話等(モバイル)

これからは楽天エコシステムを作ることを目標に展開されている事業です。

ECサイトの楽天で買い物をすると、会員になります。
会員になる時に、楽天カードを申込んで決済すると割引になります。
カードがあれば銀行引落しも必要になり、楽天銀行へ申込みます。
また証券や保険も楽天でワンストップとなります。

さらに携帯電話なども楽天で統一すると、支払が楽になるメリットがあります。

ECサイトを中心とした事業を展開し、顧客1人あたりの売上げと収益を最大化させる経営戦略です。

財務分析で見る経営状態

楽天はインターネットビジネスを展開していますが、必ずしも大きな利益を上げているわけではありません。
技術の取得にかかる設備投資や優秀な人材の獲得など、コストはそれなりにかかる事業構造です。

収益性を見る


ROA、ROEともに2019年12月では赤字決算のため、マイナスとなっています。
2018年12月のROAは2.1%ですが、これはネット関連企業ではやや低い数字とはいえ、金融業を抱えていますから、総資産は大きくなる関係で低く出ていると思われます。
2018年12月のROEは19.5%となり、数値的には株主資本を効率良く使い稼いでいることが分かります。

売上高営業利益率は、売上げ1兆2639億円に対し営業費用1兆2669億円となり、30億円のマイナスです。
その他収益の869億円で利益を出している状況です。
本業の収益性は若干悪化している感じがします。

安全性を見る

安全性においては、自己資本比率が38%あり、問題のないレベルです。
負債比率は2.3倍あり、2019年12月時点で有利子負債の増加、自己資本の減少が原因と思われます。

営業キャッシュフローについては、増えています。
ただし、金融部門の預り金やカード残高は増えているので、自己資金となり得るキャッシュフローではない状態です。

成長性を見る


成長性をみる売上高伸率、営業利益伸率については、共に前年比で下がっています。
売上高は増えているので、コスト削減を進めて、特損の発生がなければしっかりと成長が見込めます。

コストについては、人件費、設備にかかる固定費など、早急に見直すべきものだと思われます。

楽天の経営課題をSWOT分析


楽天の強みは先にも述べているエコシステムです。
AppleもMacやiPhoneを中心として、ソフトウェアや映像音楽を含んだエコシステムを構築して収益を上げています。
楽天は、ECサイトの他にもショッピングで必要な金融セグメント、モバイルなどでエコシステムの構築を進めています。

弱みとしては、海外展開を10年前より進めていますが、思うように海外事業で大きな黒字を稼いでいません。

市場機会は、フィンテックなどの金融業における技術革新で、ここでしっかり楽天が技術的に一歩進んでいけば、事業には大きなプラスが見込めるのではないでしょうか。

市場の脅威は、機会と同様で、技術革新です。
これは楽天が持ち得ない技術で、且つ、セグメントに対して大きなインパクトを与える技術革新があった場合、楽天のビジネス自体が大きく揺らぐ事になります。
また投資先の財務状況が悪化すれば、特損の計上で経営的に不安定になります。

投資水準を見てみよう


PERは赤字のため、2019年12月時点では計算が出来ません。
PBRを見る限りは、割安感はありそうです。
一方でPCFRを見てみると、17.5倍なのでやや割高感があります。

株価水準は現時点では下ブレるリスクも考えられる状況で、地合いがいいのかは判断がつきません。
ただ、上値を狙っていくのであれば、4月14日の高値2357円がひとつのチャレンジになりそうですね。

株式投資の初心者はぜひ読むべき!!

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