資生堂の株価を左右する3つの指標を分析した【業績に影響する2つの事情とは】

資生堂の株価は、新コロナウィルスの影響によって2019年12月よりじりじり下がり、未だに下がる前の水準には戻っていません。
非常に強かったインバウンド消費が実質消し飛んでしまったことにより、業績は下がっていると思いきや、財務の数字はそこまで悪くありません。
とはいえ、2020年の動きについては、まだ決算が出ていませんので、2019年の財務を見て今後の動きを考察してみようと思います。

現在の株価水準


新コロナによる底離れした後に、二番底をつけて、上昇トレンドに入りつつあるような流れです。
とはいえ、力強い動きかというとそうでもなく、これから吹き上がるために、材料が欲しいところです。

資生堂の事業構造は?

資生堂は、化粧品会社でありますが、関連事業を含めると5つの事業ドメインがあります。

・化粧品事業
・ヘルスケア事業
・理/美容製品の販売等
・フロンティアサイエンス事業
・飲食業等

フロンティアサイエンス事業では、イノベーションによる新商品や新領域の製品を作っています。
ただし、研究開発先行の事業であるはずなので、すぐに利益になるかというと、財務へのインパクトは限定的であると想像できます。

化粧品事業では、いくつかのブランドラインを取りそろえていますので、そのブランド力の維持向上に、マーケティング費用を充てて、レバレッジを効かせた販売増を期待したいところです。

財務分析で見る経営状態

しっかりと黒字を積上げている財務内容なので、不安要素はそれほど大きくないと見て取れます。
とはいえ、2020年度においては、ロックダウンによる行動自粛、また米中の貿易摩擦を背景とした地政学リスクの増大、などが大きな財務インパクトを持っている感じがします。

それでは収益性、安全性、成長性をチェックしてみましょう。

収益性を見る


ROA/ROEともに対前年比で伸びています。
ROEは10%を超えていますので、投資判断としては安全であると思われます。
株主資本も増えていて、売上げおよび利益も伸びていますので、好感が持てます。

安全性を見る


自己資本比率がが下がっているのは、2019年度に借入を行い、有利子負債が増えたためです。
その証拠に、負債比率も上昇しています。
売上高営業キャッシュフロー比率が1%悪化しているので、キャッシュの回収は少し鈍くなっている印象です。

とはいえ、1103億円の現金を持っていますから、今のところ大きく問題になるような安全性リスクはありません。

成長性を見る


売上げや利益の伸率で見た場合、成長性はあまり期待できません。
成長が鈍化している状況が有り、2020年度は新コロナで売上げも利益も下がる予想に加えて、海外事業で一番大きい中国においても、地政学リスクが顕在化し始めましたので、こちらも要注意です。

今時点でどこの企業もそうですが、対前年比で売上げと利益が伸びないのはしょうがない状況であることは確かです。

資生堂の経営課題をSWOT分析


資生堂の強みは、各年代に合せたブランドラインを持っている事です。
特定の市場や年代のみではなく、幅広く消費者にリーチできるのは収益の最大化に向けた大きな強みです。

またマーケティングにおいても、デジタル分野での露出を有機的に増やせば、レバレッジを効かせた販促が可能となります。

弱みと市場の脅威としては、インバウンド需要の喪失があります。
現時点で海外からの旅行は動いていないので、インバウンド需要自体は2021年も引続き需要回復のタイミングを測る年度になるはずです。

投資水準を見てみよう


現時点での株価は、リーズナブルな水準にあると考えられます。
ただし、新コロナ相場であった3月末の底値を割り込む事態を想定する必要はあるかもしれません。

シナリオとしては、決算短信を見ながら、仕込んでいく一方で、損切りの水準は3月時点での安値を想定するのがベストかもしれません。

いずれにしても、1)インバウンド需要の回復、2)中国市場における売上拡大と地政学リスクのヘッジ、が株価に大きく影響を与える2つの事情となるのは間違いありません。

株式投資の初心者はぜひ読むべき!!

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