三菱重工業の株価を占う3つの指標【低迷からの復活はあるか?】

三菱重工業の株価は新コロナ相場で暴落して、その後、持ち直していないレベルですね。
逆に安値更新をしている状況です。
これには三菱スペースジェットなど業績の足を引っ張る不安材料があるためなのか、あるいはスペースジェットのイメージで個人投資家が離れてしまったのか、解釈が難しいところです。

財務の数字を紐解いて、その辺の事情について考察してみました。

現在の株価水準


株価は低迷していますから、ここらが買いなのか、あるいは相場次第ではさらに下値を試すのかわからないレベルです。
とはいえ、かつて2015年6月で7000円を超えていたので、これから高値を目指していくのはありかもしれませんが、いかんせん不透明すぎます。

この下落は財務的に問題があるためのトレンドか、と言ったら一概にそうとは言えない感じですね。

三菱重工業の事業構造は?

三菱重工業は4つのセグメントで事業を行っています。

・パワー
・インダストリー&社会基盤
・航空/防衛/宇宙
・その他

三菱スペースジェットは航空・防衛・宇宙のセグメントに属しています。
パワーは発電関係の重電で、エネルギー需要は新興国を中心に増大しています。
そのため、ガス発電などはこれからも需要はあるところでしょう。

また、防衛については後述するように、地政学リスクに鑑みた防衛力強化の機運が高まっているので、業績に対しては追い風になっています。
また、F-15の近代化改修もあり、一定以上の収益は発生しています。

財務分析で見る経営状態

2020年3月発表の財務では減収減益で、特別損失形状による営業利益のマイナスとなっています。
Year on Yearで見ても、2年連続で減収なので、株価に勢いがないのもうなずけます。
ただ、2020年3月の特損を処理してしまえば、収益力については悪くないようなので、財務の数字は期待できるのではないでしょうか?

それでは収益性、安全性、成長性をチェックしてみましょう。

収益性を見る


ROEは対前年度比で低くなっています。
製造業の場合は、どうしても設備投資が重く、その分、借り入れもありますから負債が自己資本よりも大きくなりがちです。
そのため、ROEは製造業としてはアベレージくらいではないでしょうか?
10%に近づける経営努力はもちろんしているでしょうから、今後の経営合理化に期待をしたいところです。

売上営業利益率は特損を計上した関係で、マイナスになっています。

安全性を見る


2020年3月決算では、借入の増加があったので、有利子負債は増えています。
そのため、負債比率は上がっています。
有利子負債対営業キャッシュフロー倍率も3倍を超えています。

ただし、売上高営業キャッシュフロー比率は改善しています。
キャッシュを確保するような取引を増やしたためかもしれませんし、単にキャッシュの回収の早い案件の金額が増えたのかもしれません。
経営努力なのか、そこは見えないですね。

成長性を見る


減収減益となっています。
そのため、成長はしていないと見て取れます。

新コロナの不安が消退しない場合は、経済活動が回復する兆しは見えません。
自動車メーカーを始め、この状況で業績を伸ばしている会社の方が少ないので、致し方ないのかもしれませんね。

三菱重工業の経営課題をSWOT分析


三菱スペースジェットの製造が遅れているのは、経営の足を引っ張る要素になります。
現に、2020年3月決算では、営業利益のマイナスはスペースジェットの減損を計上したことによります。
さらに、航空需要が壊滅的な状態になっているため、航空会社との契約についても今後は見直しが掛かる可能性が強いでしょう。

一方で、防衛関連の受注は増えているようです。
これは中国などの軍事的脅威が顕在化しているため、防衛力強化が急がれる状況となっています。
それにより、F-15の近代化改修および艦船の建造などが業績を押し上げる要素となります。

民生需要はビジネスポートフォリオにはあまりない三菱重工業なので、一般消費の影響は受けませんが、企業の設備投資や増えない状況や、税収の落ち込みによる公共事業の削減などについては、外部環境にある大きな脅威となります。

投資水準を見てみよう


PERは下がってきています。
業績が回復しつつ、株価がまだ上向きトレンドに入っていない状況でエントリーできるか、今後の動きについてはウォッチが必要ですね。
今後さらなる株価の下落があるのかは、現在のトレンドでなんとも判断はできませんが、一般投資家であれば上昇トレンド発生を待ってから動いてもいいかもしれません。
逆張りでエントリーをすると、塩漬けなどのリスクを負うことになりますからね。

株式投資の初心者はぜひ読むべき!!

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