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野村ホールディングス(証券)の株価が上向くかを3つの指標から確認【上昇期待はできるか?】

野村ホールディングス(野村證券含む)の株価は新コロナ相場の下落で持ち直したところ、下落前の株価を回復することなく、2020年10月時点で下落前の株価の半分のところにあります。
なかなか株価が戻らない弱さがあるような気がしますが、その原因は財務のどこにあるのかを見てみました。

有価証券報告書を見ると、数字の項目が商社や製造業とは違います。
営業利益という項目はなく、金融費用という項目のあとに、人件費が出てきます。
そのため、厳密に営業利益を計算をしようとすると、マニュアルでの計算になります。

今回便宜上、税引前当期純利益を営業利益(損失)としました。
バフェットコードを参照したときに、営業利益の項目を見たら、税引前当期純利益の数字でした。
ということで、今回はバフェットコードにならって数字を作成しています。

現在の株価水準


かつて2007年には2700円ほどの株価でしたが、その後は10年スパンで見ると株価は急落しています。
これはネット証券の台頭によるリテール部分の競争激化などが原因なのかは分かりませんが、2028年のリーマンショックの急落で止めが刺された感じです。
2007年の水準を回復するには相当のエネルギーが必要かと思いますが、少なくとも新コロナ相場の前の水準に戻る可能性はあるでしょう。
上値の余地としては、300円の上昇が見込めるかの判断かもしれませんね。

野村ホールディングスの事業構造は?

野村ホールディングスの事業構造は、証券部門だけではなく、以下の業務領域があります。

・営業部門
・アセット/マネジメント部門
・ホールセール部門
・マーチャント/バイキング部門

証券会社の役目は、証券取引の仲介をするだけではなく、新規株式公開や新株引き受け、財産の運用をする投資信託、債権の販売、また経済分析をする研究もあります。

企業の直接金融を仲介する重要な役目を負っている証券会社は、資本主義では必要なファンクションだと思います。
ただ、最近は資金調達のコスト低減圧力は高まっている状況では、今後の証券会社のファンクションは変化せざるを得ない状況となってくるでしょう。
特にフィンテックによって、金融取引の履歴管理が従来と変わってくるでしょうから、フィンテックをどの程度キャッチアップしていけるのかは、証券会社の命運を握るキーポイントになるでしょう。

有価証券報告書には、経営方針と事業リスクについて言及があります。
文章にはフィンテックは出てきませんが、方向性としては読み取ることができます。

財務分析で見る経営状態

2020年3月期は当期純利益が2169億円になりましたが、2019年3月期はマイナス1004億円でした。
証券会社の財務分析は今回初めてなので、どうやって解釈するのかは深くまで検討はできませんでしたが、顧客からの預り金(証券口座の預り金)もあって、銀行の預金と同じ性質のものでしょう。

それでは収益性、安全性、成長性をチェックしてみましょう。

収益性を見る


有価証券報告書では、ROEの数値目標を定めて経営を目指すことが言及されています。
目標値としては、2025年に8〜10%を目指すことが明記されています。
とはいえ、ROEだけを見ていても資本効率の高い経営はできないとも書かれています。
この辺は、金融に関する規制などもあって、経営の舵取りは難しいところなんだろうなと想像します。

安全性を見る


自己資本比率が6%程度となっています。
これは顧客より資金を預かって、証券の売買を仲介している業態であるため、資金は負債に分類、その分、自己資本は低くなります。
手数料ビジネスですから、お金を預かり、顧客の注文によって株の売買を行って、お金を右から左に移動させて、その決済手数料を稼ぐビジネスモデルです。
大きく商いをしようと思えば、顧客からの預り金も大きくしないと、大きな手数料は稼げません。

安定性の数値を製造業などと比べるのはちょっと違うので、銀行などを参考にしつつ、同業他社との比較で安全性のポジションを判断するのが一番ですね。

成長性を見る


2019年3月期がマイナスになりましたから、成長性の指標はわりと大きな変動が発生しています。
証券会社の商いが増えるかどうかは、1)労働人口(所得が発生する層)、2)マネタリーベースの増加、が必要です。
現在は金融緩和局面が続いているので、マネタリーベースの増加は問題ないとしても、国内の人口が減っていけば、それだけ口座開設数も減ってきます。

さらに、ネット証券の台頭で手数料自体が下がってきているところでは、証券取引だけでの手数料では大きな成長性は見込めません。
今後は、アセットマネジメントのみならず、企業の上場やM&Aなどにも大きくリソースを割いて、ビジネス基盤を強固にしていくのは引き続き必要なことになるでしょう。

野村ホールディングスの経営課題をSWOT分析


フィンテックの登場で、直接金融と業界再編の波がやってくると考えます。
これは競争激化という外部要因が伴いますが、業界再編においては常に事業拡大のチャンスは存在ます。
商品群のシナジー効果を得られるようなポートフォリオの組合せを武器に、幅広い顧客チャンネルにアプローチをしていくことで、収益の増大が期待できるのではないかと主ます。

投資水準を見てみよう


現時点で正直に言うと、投資するに値するかと言われたら、ノーです。
テクニカル的にこの時点で上に行きそうでもあるし、あるいはボックスのあとに一旦下落するかもしれません。
財務的には大きな問題は見られませんが、株価が長期に落ちているのは、それ相応の理由があるからでしょう。
その辺をまずしっかりと分析をしていきたいと思います。

株式投資の初心者はぜひ読むべき!!

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