債務超過は決算書のどこを見れば分かるのか?

債務超過は企業にとっては避けるべき状況です。
株式投資においては、株価が低迷している企業を分析する時に、まず最初に債務超過に陥っていないかをチェックします。

債務超過の状態は、どんな財務になっているのでしょうか?

債務超過の状態とは?

債務超過の状態は、貸借対照表を見ると分かります。
その原因は、損益計算書を見るとハッキリします。
さらに、キャッシュフロー計算書で、キャッシュが十分発生しない状況も分析できます。

ただ、状況によっては例外もあります。
創業期の企業では、借入によって製品開発、広告宣伝による製品の浸透や知名度アップなどで債務超過になることもあります。
この場合は、ベンチャーキャピタルなどの支援で資金投入されます。
赤字決算や債務超過状態は、将来の収益期待が大きいため債務超過や赤字状態が許容されます。

とはいえ、株式を上場している企業では債務超過が続くと上場廃止になったり、倒産したりします。

では財務三表(有価証券報告書)でどのように債務超過がひょうげされているか、を見てみましょう。

貸借対照表での債務超過の見え方とは?

貸借対照表での債務超過は、右側の負債を見ます。
貸借対照表は、左右の金額が等しくなるのが大原則です。
この大原則があるので、債務超過になると何が変化するのかをしっかりと抑えましょう。

正常な状態

資産が100万円、負債が60万円、純資産(資本)が40万円とします。
純資産の内訳は、資本金が20万円、内部留保である利益剰余金が20万円とします。

左右の金額がバランスしています。
債務超過は、このバランスが崩れるんですが、数字上は債務超過でも均衡します。
ここが分かりにくいところかもしれませんね。

債務超過の状態

債務超過は、借入金が左側の資本よりも多くなる状態です。
例えば、資産が100万円、負債が50万円増えて110万円、純資産(資本)は40万円とします。
単純に表すと、次のようになります。

ただし、これだと資産100万円、負債110万円と純資産40万円なので、右側が50万円大きくなります。
これだと左右の金額は均衡していませんね?

債務超過を表す貸借対照表

この均衡しない状態はありえないので、実際はこうなります。

このように、資本は100万円、負債は110万円、純資産は資本金変わらずですが、資本金20万円と負債の超過分10万円を合算して利益剰余金がマイナス30万円になり、合計でマイナス10万円となります。
これにより、負債の10万円超過部分を相殺しているわけです。
ちょっとややこしいですね。

要するに、負債110万円、純資産(資本)マイナス10万円、これで100万円となり、左の資本100万円と均衡するということです。

負債がいくら増えたかということは、前期決算との比較で分かります。
また当期決算でも、純資産にマイナスが生じていれば、異常というのが分かります。

損益計算書での債務超過の見え方とは?

損益計算書では、営業損益が発生します。
営業外費用も発生し、損益計算書は赤字になります。
つまり、本業が赤字になるから資金が足りなくなり、借入が行われます。

もっとも、営業外収益を上げて、本業の営業損益をカバーできる資産があれば、まず資産の売却などで赤字を回避しようとします。
株式の売却や、土地などの売却をして、赤字を避けようとします。

キャッシュフロー計算書はどうなるか?

キャッシュフロー計算書においては、営業キャッシュフローが当然マイナスになります。
売掛金などが膨らむと、手持ちのキャッシュが無くなりますから、短期負債の返済ができなくなります。
また、手形も支払えなくなるので、倒産に陥ります。
営業活動(本業)によるキャッシュがないということなので、運転資金を確保するために借り入れが行われます。

投資活動によるキャッシュフローは、資産売却などによりプラスになります。
とはいえ、売るものがなければプラスになる要因はありません。

財務キャッシュフローは、借入金が発生するためプラスになります。
ただし、借入金(短期負債)などの返済額が、新規借入金よりも大きい場合は、マイナスになります。
借金で借金を返している状態になっているので、自転車操業状態です。

債務超過の改善策とは?

これは一つしか改善策はありません。
本業の営業活動でキャッシュを生んで、正常な企業活動をする以外にありません。

ですので、経営の合理化(リストラ)を行って、費用の圧縮、製品力の向上を行う以外に有効な手立てはないです。

株式投資の視点

ベンチャー企業 創業期で拡大基調にある企業では、赤字決算はありえます。
メルカリは上場企業ですが、当面は赤字決算です。
ただし、債務超過には陥っていません。

債務超過が続いて、改善計画が示されない場合、上場廃止になります。
仮に投資している企業が赤字決算に陥り、財務を分析してみると財務超過に陥っていた、ということになると株券が紙切れになります。

投資家であれば、資金を突っ込む前に、しっかりと貸借対照表をチェックして、また損益計算書で事業が赤字に陥らないかチェックしないといけませんね。

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