販売費及び一般管理費(販管費)とは?【株式投資で見るべき視点】

有価証券報告書の損益計算書を読むと、販売費及び一般管理費が出てきます。
これは、事業を営む企業には全て出てくる必須項目ですが、中身の理解と、この販管費の影響について投資家の視点から見てみましょう。

販売及び一般管理費とは?

販売及び一般管理費には、製造した製品を売るための費用が計上されます。
製造に関する原価は「売上原価」という項目に入りますが、販売活動(営業活動)にかかる費用が「販売及び一般管理費」に計上されます。
ここは非常に重要な概念なので、しっかり区別する必要があります。

有価証券報告書の例

日産の有価証券報告書にある連結損益計算書を見てみましょう。

日産の売上は2019年3月と2020年3月を比べるとこのようになります。
2019年3月
11,574,247百万円

2020年3月
9,878,866百万

1,695,381百万円(1兆6953億8千1百万円)、14.5%の減収です。
これに対して、販売及び一般管理費の減少を見てみましょう。

2019年3月
1,585,621百万円

2020年3月
1,476,430百万円

減少幅は、109,191百万円(1091億9千1百万円)、6.9%です。
減収幅が14.5%であるのに、販管費の圧縮幅が6.9%しかありません。
減収の半分もコストが圧縮できていません。

もちろん製造原価も圧縮は必要ですが、こちらもそれほど圧縮されていません。
日産は他にも当別損失(減損損失)がかさんで669,433百万円を計上しています。

注目すべき点は、減収幅に連動してコスト削減をするのは、必ずしも連動して対応できないというところです。

株式投資の視点

販売及び一般管理費はすぐに減らせるものだと思いますか?
減収になった時に、その兆候に合わせて原価を調整して、減収に合わせて原価も圧縮しないといけません。
でも、実際はリアルタイムには出来ないんですよね、原価低減策というのは。
なぜなら、こういう仕組みだからです。

1.製造原価は仕入れ価格が決まっているので、すぐに変更できない
2.人件費は日本の場合、すぐに下げることが出来ない
3.広告宣伝費は下げられるが、新興企業の場合は広告費こそ売上拡大の生命線

こういったポイントを見ると、減収局面の経営環境では、社内の体制が外部環境に瞬時に対応できません。
そうなると、原価は高止まり、でも売上が減っている、利益率がガクンと減る、ということになります。

仕入れについては、製造業の場合、コスト低減を協力会社さんに頼んだとしても、減収のたびにお願いしていくことは無理です。
仕入量もいきなり半減とか急激な対応は無理です。
なぜなら、販売予測の精度は100%ではないからです。

株式投資の視点から見ると、販売費及び一般管理費については複数年の比較が必要です。
ここが硬直的だと、減収時の対応が難しくて、減収減益の上、赤字決算に落ちいる可能性高くなります。
長期投資の場合は、しっかりと意識してみていきましょう。

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